JPLSガイドブック 改訂第2版**へるす出版/日本小児科学会/978-4-86719-093-7/9784867190937**

販売価格
3,080円(税込み)
小児診療初期対応コース
編著
日本小児科学会
出版社
へるす出版
分野
 
小児科学一般

数量

特集
新刊
販売期間
2024/07/09~
商品コード
9784867190937
発行 2024年7月
判型:B6変型判 176頁
ISBN 978-4-86719-093-7

監修:公益社団法人日本小児科学会
編集:日本小児科学会JPLS委員会

防ぎうる心停止から子どもたちを守る

日本小児科学会 小児診療初期対応コース(Japan Pediatric Life Support;JPLS)
子どもの心停止による死亡を防ぐための小児科医向けのコース教材テキスト


○JPLSは、BLS(Basic Life Support)を核とした、心肺蘇生技術に加え、心停止の危険性の早期認識と早期対応の知識・技術・態度の伝達を目的としたコースです。

○本コース全課程修了で、小児科領域専門医更新単位ⅲ小児科領域3単位取得可能です。

○わが国の蘇生ガイドラインに準拠した救急蘇生の標準テキストである『救急蘇生法の指針2020 医療従事者用』の「Ⅲ章 小児の救命処置」が転載されています。

○小児科医に必要な心肺蘇生のスキルはもちろん、事故予防、放置すれば心停止に陥る重篤小児の早期認識、早期介入を包括した内容が、コンパクトなつくりの本書でご確認いただけます。

【目 次】
Ⅰ JPLS コースの目的と背景
 1.JPLS コース誕生までの経緯
 2.救急蘇生ガイドラインの成立
 3.JRC蘇生ガイドライン2020に影響を与えたILCOR 国際コンセンサス の論点
   
Ⅱ JPLS コースの構成と特徴
 1.JPLS コースの学習到達目標
 2.JPLS コースの学習方法
  1) 事前学習と当日までの準備
  2) 当日グループ学習アジェンダ
  3) 事後学習と修了証発行
 3.成人学習理論とJPLS 講師養成コース
  1) 成人学習理論
  2) JPLS 講師養成コース
   
Ⅲ JPLS コースハンドブック
 1.小児診療初期対応における小児の評価
   ■ 学習到達目標
   1) 第一印象
   2) 一次評価(ABCDE 評価)
   ■コース当日の流れ
   ■JPLS 評価対応カード
 2.呼吸障害に対する初期対応
   ■ 学習到達目標
   1) 呼吸障害とは何か?
   2) 小児の呼吸生理の特性
   3) 呼吸障害への初期対応と必要な医療資機材
   ■コース当日の流れ
 3.循環障害に対する初期対応
   ■ 学習到達目標
   1) 循環障害とは何か?
   2) 小児の循環生理の特性
   3) 循環障害への初期対応
   ■コース当日の流れ
 4.徐脈/心停止に対する対応
   ■ 学習到達目標
   1) 徐脈への対応(徐脈アルゴリズム)
   2) 心停止への対応(一時救命処置・BLS アルゴリズム)
   ■コース当日の流れ
 5.安定化と搬送
   ■ 学習到達目標
   1) わが国の小児医療体制
   2) 重篤小児の搬送
   3) 搬送におけるコミュニケーション
   4) 転院搬送を受ける側の心構え
    さいごに
   ■搬送における心得
   ■コース当日の流れ
 6.テーマ学習
   はじめに
  1.傷害と事故
   ■ 学習到達目標
   1) 身近にあふれている出来事
   2) 傷害injury と事故accident
   3) 子どもを危険から守るための心構え
   4) 日本小児科学会の取り組み
   さいごに―日頃の小さな取り組みが子どもの未来を救う
  2.虐待
   ■ 学習到達目標
   1) 小児救急診療と子ども虐待
   2) 子ども虐待の認識は「子どもと家族への援助」のきっかけ
   3) 早期発見
   4) 安全確保
   5) 通告と告知
   さいごに
  3.アナフィラキシー
   ■ 学習到達目
   1) アナフィラキシーとは
   2) アナフィラキシーの症状
   3) アナフィラキシーと心停止
   4) アナフィラキシーへの対応
   さいごに
   
Ⅳ 心停止の予防と迅速な初期対応
  1)小児・乳児の定義
  2)救命の連鎖
   (1)心停止の予防
   (2)早期認識と通報
   (3)一次救命処置(心肺蘇生とAED)
   (4)二次救命処置と集中治療
  3)小児の死因と心停止の予防
   (1) 乳児突然死症候群(SIDS)
   (2)遺物誤嚥・誤飲・中毒
   (3)溺 水
   (4)火 災
   (5)転倒・転落
   (6)交通事故
   (7)自 殺
   (8)虐 待
   (9)重症細菌感染症
  4)切迫心停止への初期対応-迅速な初期評価
   (1)心停止に至る致死的病態
   (2)系統的な初期評価のアプローチ
  5)切迫心停止への初期対応-迅速な初期治療
   (1)呼吸障害に対する初期治療
   (2)循環障害に対する初期治療
  6)救急医療体制-院内心停止の予防
   
Ⅴ 小児の一次救命処置
 1.小児に対する心肺蘇生
  1) 安全を確認する
  2) 反応を確認する
  3) 応援要請と資器材の手配
  4) 心停止の判断
  5) 心肺蘇生(CPR)
   (1)胸骨圧迫
   (2)気道確保と人工呼吸
   (3)胸骨圧迫と人工呼吸の組み合わせ
  6) AED/除細動器到着後のCPR
  7) CPRの継続と終了
 2.小児に対するAED
  1) 未就学児用パッドと未就学児用モード
  2) 使用手順
 3.小児の気道異物除去
  1) 反応がある場合
  2) 反応がない場合
  TOPICS1 小児に対する胸骨圧迫の最適な深さ
   
Ⅵ 小児の二次救命処置
 1.心停止アルゴリズム
  1) 心肺蘇生と電気ショック
   (1)除細動器または心電図モニター装着
   (2)CPR の再開
  2) 二次救命処置(ALS)
   (1)可逆的な原因の検索と是正
   (2)静脈路/骨髄路確保
   (3)薬物投与
   (4)高度な気道確保
  3) 心拍再開後の集中治療
   (1)呼吸管理
   (2)循環管理
   (3)体温管理
   (4)血糖・電解質管理
   (5)小児集中治療と集約化
 2.心室細動/無脈性心室頻拍
  1) 心室細動/無脈性心室頻拍とは
  2) VF/無脈性VT への対応原則
  3) VF/無脈性VT が持続・再発する場合の対応
 3.無脈性電気活動/心静止
  1) 無脈性電気活動/心静止とは
  2) PEA/心静止への対応原則
  3) 原因の検索と是正
 4.電気的治療
   1) 除細動器の電極
   (1)電極パドル
   (2)電極パッド
   2) エネルギー量
 5.CPR の評価
   1) 心エコー検査
   2) 呼気CO2 モニタリング
 6.薬物投与
   1) 蘇生時の薬物投与経路
   (1)静脈内投与(IV)
   (2)骨髄内投与(IO)
   (3)気管内投与(IT)
  2) 蘇生に用いる薬物
 7.気道確保と呼吸管理
  1) 気管挿管
   (1)喉頭鏡のブレード
   (2)気管チューブ
   (3)気管チューブ先端位置の確認
   (4)輪状軟骨圧迫
  2) 声門上気道デバイス
  3) 外科的気道確保
  4) 人工呼吸と安全管理
   (1)気管チューブの固定と保持
   (2)呼気CO2 モニタリング
   (3)人工呼吸
   (4)気道の加湿と吸引
   (5)DOPE
 8.徐脈・頻拍への緊急対応
  1) 徐 脈
  2) 頻 拍
   (1)血行動態が不安定な頻拍
   (2)血行動態が安定している頻拍
 9.ショックへの緊急対応
  1) 初療室・救急外来での対応
   (1)循環血液量減少性ショック
   (2)心原性ショック
   (3)心外閉塞・拘束性ショック
   (4)血液分布異常性ショック
  2) 集中治療室での対応
   (1)循環血液量減少性ショック
   (2)心原性ショック
   (3)心外閉塞・拘束性ショック
   (4)血液分布異常性ショック
 10.特殊な状況下の二次救命処置
  1) 外 傷
  2) 肺高血圧
  3) 先天性心疾患
   (1)単心室Stage Ⅰ(第1 期)術後
   (2)両方向性Glenn 術後およびFontan 術後
 11.ECPR
 12.小児蘇生をめぐる倫理的諸問題
  1) 心停止中の予後評価
  2) 蘇生中の家族の同席
  3) 蘇生の中止
  4) 死後の原因検索
  TOPICS2) 小児に対するアドレナリン初回投与のタイミング
  TOPICS3) 高度な気道確保がなされた心停止小児の蘇生時の換気回数
  TOPICS4) 小児に対するバッグ・マスク換気と高度な気道確保
  TOPICS5) 小児に対する心拍再開後の体温管理療法(TTM)
   
Ⅶ 重篤小児の安定化と施設間搬送
 はじめに
 1.転院の決断
 2.搬送前の安定化
 3.搬送方法の選択
 4.医療用資機材の準備
 5.車内収容時の注意点
 6.搬送中の家族対応
 7.搬送中の緊急時対応
 8.到着後
 9. 搬送後の考証
 10. わが国の施設間搬送の未来
 さいごに
   
付録