脳卒中片麻痺の基本動作分析**メジカルビュー社/長田 悠路(徳島文理大学 保健福祉学部 理学療法学科 講師)/9784758320153**
バイオメカニクスから考える動作パターン分類と治療法の選択
- 編著
- 長田 悠路(徳島文理大学 保健福祉学部 理学療法学科 講師)
発行 2021年6月
サイズ B5
ISBN 978-4-7583-2015-3
脳卒中片麻痺患者の動作分析と治療法について,「寝返り」「起き上がり」「起立」「歩行」等の基本動作をバイオメカニクスの観点から解説。動作分析の視点から提示する評価・治療のフローチャートによって,臨床の場で動作をどのように解釈し,治療につなげるかを具体的に学ぶことができる。
【目次】
第 1章 力学の基礎とバイオメカニクス
1 力学,運動学,バイオメカニクス,何が違うの?
バイオメカニクスという学問の位置づけ
2 運動学・運動力学を学ぶ前に養っておきたい直感(基礎)
次元と座標
質点と剛体
重心とは何か
力とは何か
床反力とは何か
グラフの見方
3 バイオメカニクスを学ぶために必要な運動学的・運動力学的 知識(応用)
動くために必要な重心と床反力の関係(上下移動)
動くために必要な重心と床反力の関係(水平移動)
関節モーメント(基礎)
第 2章 何から評価してどう治療に結びつけるか
1 片麻痺患者の評価指標のピックアップから治療までの着眼点
バイオメカニクスの評価指標
動作の分析から治療までの思考回路
2 患者の動作分析を行うための準備とコツ
臨床での動作観察・分析
患者の身体の動きが見えやすい服装にする
関節にマーキングする
全体的な特徴をとらえる
観察肢を決める
3 患者姿勢の描画方法
基本的な描き方
描き方の具体例
第 3章 寝返り動作
1 寝返り動作分析の着眼点
寝返り動作の特徴
環境を含めた動作分析
2 寝返り動作のバイオメカニクス
寝返るために必要な 2 つの動作戦略
3 寝返り動作の相分けと着目すべきポイント
2 つの力学的戦略と運動連鎖に着目する
4 片麻痺患者の寝返り動作の特徴
寝返りに必要な体幹の適切な剛体化
寝返りを阻む過度な力学的安定状態
5 片麻痺患者の寝返り動作を観察する際のポイント
寝返り動作で着目すべきポイント
6 片麻痺患者の寝返り動作の異常パターンとその問題点
頭部や足どころか,麻痺側の肩甲骨すらも持ち上げられず 寝返ることができない
麻痺側の肩甲骨は持ち上げられるが,頭部を屈曲回旋させることが できずに寝返ることができない
肩甲骨も頭部も持ち上げて上部体幹を回旋させることができるが, 骨盤を回転させることができないため寝返ることができない
第 4章 起き上がり動作
1 起き上がり動作分析の着眼点
起き上がり動作の特徴
2 起き上がり動作のバイオメカニクス
起き上がり動作をモデル化して考える
3 起き上がり動作の相分けと着目すべきポイント
第 1 相:背中が底面になっている相(背臥位相)
第 2 相:上腕が底面になっている相(上腕支持相)
第 3 相:前腕が底面になっている相(前腕支持相)
第 4 相:手掌が底面になっている相(手掌支持相)
第 5 相:殿部が底面になっている相(殿部支持相)
相別に見た健常者と片麻痺患者の重心位置変化の違い
4 片麻痺患者の起き上がり動作の特徴
手すりに依存する片麻痺患者
5 片麻痺患者の起き上がり動作を観察する際のポイント
片麻痺患者によくみられる誤った動作方法
6 片麻痺患者の起き上がり動作の異常パターンとその問題点
on elbow になれず起き上がることができない
on hand になれず起き上がることができない
第5章 起立動作
1 起立動作分析の着眼点
離殿を分析することの必要性
2 起立動作のバイオメカニクス
起立動作の全体的な流れ
離殿
重心の上方移動
3 起立動作の相分けと着目すべきポイント
起立動作の相分け
4 片麻痺患者の起立動作の特徴
片麻痺患者の起立動作
5 片麻痺患者の起立動作を観察する際のポイント
第 1 相(動き始め?離殿)
第 2 相(離殿?足関節最大背屈)
第 3 相(足関節最大背屈?股関節伸展終了)
6 片麻痺患者の起立動作の異常パターンとその問題点
そもそも離殿ができない患者
離殿はできるがその後で後ろに倒れ込んでしまう(尻もちをつく)患者
動作に時間がかかり努力的である患者
7 生活に合わせた応用的な起立動作(座位から歩く動作)
立ちながら歩く
第6章 歩行
1 歩行分析の着眼点
歩行の目的と分析のポイント
2 正常歩行のバイオメカニクス
歩行と振り子モデル
歩行を矢状面から考える
歩行を前額面から考える
3 歩行の相分けと着目すべきポイント
歩行分類
ランチョ・ロス・アミーゴ方式の分類
4 片麻痺患者の歩行の特徴
矢状面の特徴
前額面の特徴
5 片麻痺患者の歩行を観察する際のポイント
ロッカーファンクションを確認する
足・膝・股・体幹・頭・手の順に観察する
分析シートに記入する
6 安定性を重視する段階の患者
転倒因子のコントロール
歩行と重心の軌跡
歩行分析に必要な「速度」という視点
7 片麻痺患者が転倒する方向
転倒パターンを解析したデータ内容
7つの転倒パターン
8 転倒パターン1:継ぎ足型の分析
継ぎ足型の転倒メカニズムの要約
症例情報
転倒の原因1:重心位置
転倒の原因2:足部の接地位置
転倒の原因3:麻痺側股関節の内転
転倒の原因4:麻痺側の歩幅拡大による上部体幹の屈曲
継ぎ足型の転倒パターンを示す患者の治療ポイント
9 転倒パターン2:引っかかり型の分析
引っかかり型の転倒メカニズムの要約
引っかかり型の特徴
症例情報
引っかかり型の転倒パターンを示す患者の治療ポイント
10 転倒パターン3:膝折れ型の分析
膝折れ型の転倒メカニズムの要約
膝折れ型の特徴
症例情報
膝折れ型の転倒パターンを示す患者の治療ポイント
11 転倒パターン4:麻痺側流れ型の分析
麻痺側流れ型の転倒メカニズムの要約
麻痺側流れ型の特徴
症例情報
麻痺側流れ型の転倒パターンを示す患者の治療ポイント
12 転倒パターン5:屈曲型の分析
屈曲型の転倒メカニズムの要約
症例情報
屈曲型の転倒パターンを示す患者の治療ポイント
13 転倒パターン6:逆戻り型の分析
逆戻り型の転倒メカニズムの要約
逆戻り型の特徴
逆戻り型の転倒パターンを示す患者の治療ポイント
14 転倒パターン7:失調型の分析
失調型の転倒メカニズムの要約
症例情報
失調型の転倒パターンを示す患者の治療ポイント
15 歩行の自立判定
歩行自立判定の指標
16 効率性を重視する段階の患者
歩行の効率性を評価する指標
17 美しさ(対称性)を重視する段階の患者
歩行の対称性を評価する指標
索引