がん薬物療法を行う上で知っておくべき知識を網羅した,日本臨床腫瘍学会編集による専門医テキストの改訂第7版.各がん種・薬剤の要点を掲載し,基礎から実践までを幅広く解説.がん種別の標準治療のアップデートや新規薬剤の追加のほか,コンパニオン診断,ゲノム薬理学,CAR-T,患者-医療者コミュニケーションの項目を新設するなど,この3年で確立した知見を盛り込んだ.専門医を目指す人だけでなく,がん診療に携わる全ての医療者必携の書.
正誤表2024年02月16日
第1刷【目 次】
■序 章 1)日本のがんの動向と腫瘍内科
2)日本のがん対策の動向
3)日本の保険診療体系とがんの医療経済学
Ⅰ がんの分子生物学
1.がんの発生と進展機構
1)遺伝子異常と多段階発がん
2)染色体・ゲノム異常
3)シグナル伝達系
4)細胞周期
5)細胞死および細胞老化
6)エピジェネティクス
7)ノンコーディングRNA
8)浸潤と転移
9)血管新生
10)がん幹細胞
11)感染と発がん
12)がんと代謝
2.臨床検査,分子生物学的解析法
1)ゲノム解析法・遺伝子変異検査(包括的ゲノムプロファイリングを含む)
2)トランスクリプトーム解析
3)遺伝子増幅法
4)プロテオーム解析
5)タンパク質発現解析法
6)バイオインフォマティクス
Ⅱ 臨床腫瘍学の総論
3.がんの疫学と予防
1)がんの病因
2)がんの疫学・統計
3)がんの予防
4)がんのスクリーニング・検診
4.医薬品の開発と臨床試験
1)がんの臨床試験概論
2)薬物の開発(発見,スクリーニング,非臨床試験まで)
3)有効性と安全性の評価
4)臨床試験・臨床研究をめぐる知的財産権
5)日本の医薬品開発をめぐる規制
5.がんの診断
1)画像診断(CT,MRI,PET・核医学,超音波)
2)病理診断
3)TNM分類
4)腫瘍マーカー
5)コンパニオン診断と包括的がん遺伝子プロファイリング検査
6.外科療法
7.放射線治療
8.インターベンショナル・ラジオロジー(IVR)
9.インターベンショナル・エンドスコピー(IVE)
10.薬物療法
1)薬物療法の理論
2)薬物動態学・薬力学・ゲノム薬理学
3)特別な配慮を要する患者の治療
4)生殖細胞系列遺伝子バリアントに基づくゲノム薬理学
5)抗体複合体・ナノ粒子
6)薬剤耐性
11.造血・免疫細胞療法
1)造血幹細胞移植
2)CAR-T
12.がん免疫療法
1)がんと免疫
2)がん免疫療法概論
13.AYA世代のがん
14.老年腫瘍学
15.遺伝性腫瘍と遺伝カウンセリング
1)遺伝性腫瘍
2)遺伝カウンセリング
16.サバイバーシップ
17.がん医療における倫理的原則
18.患者-医療者コミュニケーション
19.補完代替医療
Ⅲ 各種抗がん薬
20.細胞障害性(殺細胞性)抗がん薬
1)アルキル化薬,抗生物質
2)プラチナ製剤
3)代謝拮抗薬
4)トポイソメラーゼ阻害薬
5)微小管阻害薬
21.内分泌療法薬
22.分子標的治療薬
1)分子標的治療薬概論
2)EGFR阻害薬
3)HER2阻害薬
A.小分子化合物
B.抗体薬
4)血管新生阻害薬,多標的阻害薬
A.小分子化合物
B.抗体薬
5)BCR/ABL阻害薬,KIT阻害薬
6)mTOR阻害薬
7)ALK阻害薬
8)PI3K阻害薬,AKT阻害薬
9)BRAF阻害薬,MEK阻害薬
10)プロテアソーム阻害薬
11)エピジェネティック標的薬
12)CDK阻害薬,PARP阻害薬
13)NTRK阻害薬
14)RET阻害薬
15)KRAS阻害薬
16)FGFR阻害薬
17)MET阻害薬
18)FLT3阻害薬
19)JAK阻害薬
20)細胞表面抗原に対する抗体薬
23.免疫チェックポイント阻害薬
24.その他の抗がん薬
Ⅳ 臨床腫瘍学の各論
25.頭頸部がん
26.肺がん
1)小細胞肺がん
2)非小細胞肺がん
27.胸膜中皮腫
28.縦隔腫瘍
29.乳がん
30.食道がん
31.胃がん
32.大腸がん
33.消化管間質腫瘍
34.神経内分泌腫瘍
35.肝細胞がん
36.胆道がん
37.膵がん
38.腎細胞がん
39.膀胱がん,腎盂・尿管がん
A.膀胱がん
B.腎盂・尿管がん
40.前立腺がん
41.胚細胞腫瘍(精巣・後腹膜・縦隔原発)
42.子宮頸がん
A.子宮頸がん
B.外陰がん,腟がん
43.子宮体がん
A.子宮体がん
B.子宮肉腫
C.絨毛性疾患
44.卵巣がん,卵管がん,腹膜がん
A.卵巣がん(上皮性悪性腫瘍)
B.胚細胞腫瘍(卵巣)
45.骨・軟部腫瘍
1)悪性骨腫瘍
2)悪性軟部腫瘍
A.手術適応のある肉腫
B.進行・再発肉腫
46.皮膚がん
A.悪性黒色腫
B.基底細胞がん,有棘細胞がん,乳房外Paget病
47.中枢神経系腫瘍
48.内分泌がん
A.甲状腺がん
B.副腎皮質がん
C.褐色細胞腫
49.原発不明がん
50.小児がん
1)小児がんとは
2)神経芽腫
3)横紋筋肉腫
4)白血病/リンパ腫
A.急性リンパ性白血病
B.非Hodgkinリンパ腫
51.造血・リンパ組織の腫瘍
1)WHO分類
2)白血病
A.急性骨髄性白血病(AML)
B.急性リンパ性白血病(ALL)
C.慢性骨髄性白血病(CML),骨髄増殖性腫瘍
①慢性骨髄性白血病(CML)
②真性赤血球増加症(PV)
③本態性血小板血症(ET)
④原発性骨髄線維症(PMF)
⑤慢性好酸球性白血病・非特定型(CEL-NOS)
⑥慢性好中球性白血病(CNL)
D.慢性リンパ性白血病(CLL)と類縁疾患
E.骨髄異形成症候群(MDS)
3)リンパ腫
A.非Hodgkinリンパ腫(NHL)
B.Hodgkinリンパ腫(HL)
C.成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)
4)多発性骨髄腫(MM)と類縁疾患
5)HIV関連悪性腫瘍
52.MSI-H・TMB-H固形がん
53.その他のがん・希少がん
54.副作用対策と支持療法
1)オンコロジックエマージェンシー
A.悪性胸水・心液・腹水
B.上大静脈症候群,気道狭窄
C.電解質異常(高カルシウム血症,低ナトリウム血症)
D.脊髄圧迫
E.泌尿器科的エマージェンシー
2)がんの症状マネジメント・緩和医療
A.疼 痛
B.骨転移
C.脳転移
D.消化器症状
E.呼吸器症状(呼吸困難)
F.胆道閉塞
G.がん悪液質
H.播種性血管内凝固(DIC)
I.腫瘍随伴症候群(PNS)
J.栄養サポート
K.リハビリテーション
L.輸血療法
M.サイコオンコロジー
N.終末期医療
3)副作用のマネジメント
A.好中球減少・発熱性好中球減少症(FN)
B.腫瘍崩壊症候群(TLS)
C.消化器症状(悪心・嘔吐)
D.下痢,便秘,消化管穿孔
E.神経毒性
F.肝障害
G.腎障害
H.脱毛・皮膚障害・血管外漏出
I.アレルギー反応・インフュージョンリアクション
J.肺障害
K.貧 血
L.血小板減少
M.口内炎・口腔内のトラブル
N.その他の副作用
O.B型肝炎ウイルスの再活性化とその対策
P.性腺機能障害と妊孕性温存
Q.腫瘍循環器学
4)免疫関連有害事象(irAE)
略語一覧