終末期ディスカッション**メディカルサイエンスインターナショナル/平岡 栄治/9784815730154**

販売価格
4,070円(税込み)
外来から急性期医療まで 現場でともに考える
編著
平岡 栄治
出版社
メディカルサイエンスインターナショナル
分野
 
集中治療医学(ICU・CCU)

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書籍版 販売期間
2021/10/14~
JANコード
9784815730154
商品コード
9784815730154
発行 2021年10月
サイズ A5 / 284p
ISBN 978-4-8157-3015-4
患者と家族が「これでよかった」と思える意思決定のために
・本書のゴールは,患者と家族が「これでよかった」と思える意思決定支援に向けて必要な考え方を身につけること。

・「患者中心の意思決定」に取り組むにあたり,まずPart 1では「臨床倫理での基本的な考え方」を学ぶ。Part 2では患者,家族,医療従事者がそれぞれ「どのようにコミュニケーションをとっていくか」を豊富な事例と重要なエビデンスに基づき解説する。Part 3では「ACPの実際の方法」を扱う。

急性期医療の第一線に携わる著者による、「患者中心の意思決定支援」を現場でともに考え、実践していくためのエッセンス。臨床倫理の基本、コミュニケーションの取り方、ACPの実践の3パートで構成。全編対話スタイルをとり、豊富な事例を挙げて解説、あわせて「患者さんとご家族へのメッセージ」を掲載した。「Hospitalist」「INTENSIVIST」からの解説もMEMOとして扱い、知識のまとめとしても有用。全ての医療従事者、非医療従事者に有用な一冊。

【目次】
Part 1 現場中心の医療倫理の考え方

第1章 患者を中心に考えること,決まったプロセスをふむことが原則
本書の登場人物の紹介/大事なのはプロセス

第2章 「倫理的に正しい」とはどういうことか?
まず倫理四原則から考える/自己決定の尊重,治療義務の限界/陥りやすい「Defensive medicine」/厚生労働省のガイドラインの意義/法的な視点からの疑問

第3章 4分割表を事例にあてはめてみる
医療チームで共有したい考え方の枠組み/4分割表からわかること:事例1の場合/4分割表からわかること:事例2の場合
第4章 トラジェクトリーカーブは患者,医療従事者の双方に有用
病気がどうなっていくかを図式化して理解する

第5章 ケアのゴール設定の重要性
設定したゴールにそぐわない治療は,「しない」ことが大切/「最大限の治療」とは何か/コンフリクトマネジメントも患者中心の意思決定には重要

第6章 同意のとり方
4つの方法,それぞれに適した事例がある

第7章 なぜ予後予測が重要か?
現実的な予後を知ることで「死の質」と向き合える/「良い死の過程」を提供するために/重要な予後の知識

第8章 期間限定の治療(「お試し期間」)
予後が不確定のときの選択肢/延命治療を中止する手順

第9章 終末期の定義
狭義の終末期,広義の終末期

Part 1 患者さんとご家族へのメッセージ

Part 2 医療倫理を実践するコミュニケーション法

第10章 コードステータスをどう話し合うか?
正しい理解で,誤用を防ぐ

第11章 代理意思決定者には誰がなるのがふさわしいか?
患者の価値観を尊重した意思決定をしていくために/意思決定能力が不完全で,代理意思決定者が不在のとき

第12章 悪い知らせをどう伝えるか?
「元気だった人がいきなり重症になり,救命できない」ことをどう伝えるか/蘇生処置をするという選択肢がなくなったら,それを方針として伝える/「手術の合併症によって,当初のゴールが達成できない」ことをどう伝えるか/術前のACP が困難な意思決定を助ける

第13章 「主治医が患者中心の判断をしていない」と看護師が感じたときにどうすべきか?

4分割表の医学的要素を提示するのは医師の役目/多くの科の医師がケアにあたっているときのコミュニケーションの注意点/共同で診療することのメリット

第14章 DNAR(Do Not Attempt Resuscitation)を正しく運用するために
用語の整理/誤解も多い,蘇生率の実際/DNARは心停止時にのみに適応されるオーダー/患者の誤解/DNARの運用は「良い死の過程(Good quality of death)」を考えることでもある/予期しなかった心停止ではDNAR は適応されない?/「DNARだから手術できない」は本当か?

Part 2 患者さんとご家族へのメッセージ

Part 3 アドバンス・ケア・プランニング:人生会議

第15章 アドバンス・ケア・プランニング(ACP)とは何か?
ACPの目的と効果/ACPのエレメント/ACPの注意点/予後や治療の選択に,過剰な期待があるケース/疾患の予後と特定の治療について誤解があるケース/やっぱり透析をしてほしいと判断が変わるケース/ACPの拡大解釈によって延命治療だけでなく,必要な治療まで制限されてしまうケース/無益な“futile”ACPのケース

第16章 導入からアップデート
患者が抱いている現実味と心構え/導入のタイミング/患者の予後とACP の事前指示/翌日のためのACP(緊急ACP)/ACPのアップデート

第17章 ACPにいろいろな人がかかわるときの注意点
ACP導入の障壁となる心のハードル/ACPをアップデートしていくことの重要性も共有する

第18章 周術期のACP
ACPのなかでも新しい概念/「無益性」の議論をふまえた「緩和」という選択肢/周術期のACPのエレメント第19章 急性期にかかわる医療従事者がACPにどう向き合うか?急性期のACPの意義/価値観のリレー/急性期におけるACPの導入/急性期病院と地域の,施設間のリレー/なぜそのACPに至ったのか,背景と経緯の共有が重要/誤解に基づいたACPとPOLSTの危険性Part 3 患者さんとご家族へのメッセージ