画像診断 2022年9月 吸い込みでおこる肺疾患の画像診断と病理**秀潤社/Gakken/【特集】序説・加藤勝也(川崎医科大学総合医療センター放射線科)/9784780905564**

販売価格
2,750円(税込み)
Vol.42 No.10
編著
【特集】序説・加藤勝也(川崎医科大学総合医療センター放射線科)
出版社
秀潤社/Gakken
分野
 
画像医学・超音波医学

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書籍版 販売期間
2022/08/25~
JANコード
9784780905564
商品コード
9784780905564
発行 2022年8月
サイズ B5
ISBN 978-4-7809-0556-4
びまん性肺疾患の画像診断を行うにあたり,吸入に関連して発生する疾患・病態が鑑別に挙がることがままあるが,そこに焦点を当ててまとめた特集は多くない.本特集では吸入関連疾患として,過敏性肺炎,じん肺,喫煙関連肺病変,その他吸入関連疾患,誤嚥性肺炎にフォーカスを当てた.

まず過敏性肺炎は,2020年に米国胸部医学会(ATS)・日本呼吸器学会(JRS)・ラテンアメリカ胸部医学会(ALATS),2021年に米国胸部医師学会(ACCP)CHESTガイドラインといった海外の過敏性肺炎のガイドライン,この2022年春にわが国の『過敏性肺炎診療指針』の発行というように,ここにきて診断の標準化が一気に進んでいる.そこで,画像診断医として知っておくべき過敏性肺炎ガイドラインの現状と,それを踏まえた画像診断について記載していただいた.じん肺に関しては,新規発生者数が減少しており過去の疾患となっているという捉え方もある.しかし,患者の高齢化と重喫煙比率が高いことから,悪性病変合併や重度の呼吸障害を来して一般病院を受診し,画像診断を施行される機会が多いという現実がある.そこで画像診断医として,その病態と画像所見,職業性じん肺とは切り離すことができない社会的保障制度について知っておくべきであり,石綿関連肺病変と石綿肺以外に分けて解説していただいた.また,じん肺と同様に,高齢者を主体として重喫煙者が受診することがまだまだ多い状況で,喫煙関連肺病変について,疾患概念,病理像も含めて再整理していただいた.さらに稀ではあるが,知っていれば診断に近づきやすいリポイド肺炎をはじめとする吸入関連疾患について,貴重な症例を元にした画像と背景となる病理像を示していただいた.最後に,高齢者の画像診断において記載することが多く,死亡原因の高位を占める誤嚥性肺炎について,画像所見主体に解説していたいただいた.
本特集の試みとして,画像診断の基本である“病理画像対比”に重点を置いた解説を目指した.そのため,これまで別立てに解説されることが多かった画像と病理の解説を,過敏性肺炎,石綿関連肺病変,じん肺(石綿以外),喫煙関連肺疾患では1項目としてまとめ,画像診断担当の先生に加えて,それぞれの領域をご専門とされている病理医の先生にお願いし,共同作業で解説していただくことを企画した.時間に限りがある中で,異なる施設の先生方に連絡を取り合いながら各稿を作成し,画像所見の理解を深める病理所見を同一稿にまとめてわかりやすく記載していただいた.あまり例のないお願いにもかかわらず,快く引き受けてくださった執筆者の先生方にお礼を申し上げたい.本特集が,明日からの診療にあたり,少しでも読者の皆さまのお役に立てば幸いである.